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バトン。
Memo-log -baton-
2009/02/01回答。
【ヴィンセント】が風邪引いちゃったよ。
なんかもうインフル並に辛そうなんで看病してやってください。
お願いします。
風邪引きさん→【ヴィンセント】(タークス時代
)
看病する人→セフィロス(子供)
・風邪引き【ヴィンセント】が目の前に。
「ヴィン……ヴィン……ねぇってば!」
「……な、何だ?」
「どうしたの?」
「何がだ?」
「おかお、あかいよ」
「そんなことはないと思うが」
「でも、ぼうっとしてる……いっぱいよんだのに」
・【ヴィンセント】の額がうっすら汗ばんでます。
「だいじょうぶ?」
セフィロスがヴィンセントのほっぺたに手を伸ばします。
いっつも青白いくらいのヴィンセントの顔が赤いのが気になる様子。
そのまま顔中ぺたぺた触って、最後におでことおでこをコツンとぶつけました。
「いつもより、あつい……?」
「いや、大丈夫だ……」
・あなたの前で【ヴィンセント】がよろけてしまいました。
「ヴィン!」
「本当にだいじょ……」
「だめ!ベッドいくの!」
「いや、しかし」
「だめったらだめ!ほら、おててかして!」
セフィロスはヴィンセントの手を引っ張って自室を出ました。
・どこで介抱しよう?
セフィロスはヴィンセントの手を引いて、ヴィンセントの部屋へとやってきました。
「はやく、おふとんはいって!」
「セフィロス、私ならば本当にだいじょ……」
「もう、はやくっていってるでしょ!」
大丈夫だと言い張るヴィンセントでしたが、セフィロスが目尻にうっすら涙を浮かべて怒る姿を見て、何も言えなくなってしまいました。
・【ヴィンセント】に病人食作ってあげて。
「ヴィン、おなかすいてない?」
「いや、だいじょ…」
「ちょっとまっててね!」
セフィロスはぱたぱたと部屋から飛び出して行きました。やがてまたぱたぱたと戻ってきたセフィロスの手にはトレイがありました。毎朝ヴィンセントがセフィロスの朝食を運ぶ時につかっているものです。そのトレイの上には小さなお皿に載ったリンゴが。
「セフィロス……これは?」
「キッチンでもらったの」
「いや、そうではなくて……」
リンゴは皮は付いたままでした。ただ、切り分けられてはいました。
しかし、その大きさは欠片ごとにまちまちで、どちらかといえば不格好です。
「その、キッチンには誰かいたのか?」
「うん。ナイフかしてもらったもん。どこにあるのかわからなかったから」
「やはり……怪我はないか?」
「ナイフのつかいかたは、このあいだおそわったもん。だいじょうぶ!」
・苦い飲み薬を【ヴィンセント】が嫌がっています。
「ヴィン、これものんで」
「これはどうしたのだ?」
「キッチンでもらったの」
屋敷には炊事を担当している通いのメイドがいます。キッチンなどに出入りしたことのないセフィロスが姿を見せたことに驚いた彼女は事情を聞き出し、どうやらヴィンセントの具合が悪いようだと判断したようです。
セフィロスに、リンゴを食べさせた後に飲ませるよう、薬を渡したのでした。よく出来たメイドです。
「そうか……しかし、私はだいじょ……」
「はい、おみず」
セフィロスは薬と一緒にコップに入った水をヴィンセントに押しつけました。
実はセフィロスは知らなかったのですが、この薬はとても苦いと有名な薬なのでした。
「いや、きっと風邪などではない。気のせいだ。だからこれは飲まなくても…」
「ほんとうにかぜだったらどうするの……?」
セフィロスの瞳がまた潤んできました。
「せ、セフィロス…!……飲むから、だから」
慌てたヴィンセントはにがーい薬をごくりと飲み干しました。
「ヴィン……いいこだね」
セフィロスはヴィンセントの髪を撫でてあげました。
・看病していると、トラブルメーカーの第三者が現れました。
セフィロスがヴィンセントの髪を撫でてあげていると、突然扉がばたん!と開きました。
「こ……ここにおったか!」
「……宝条……!」
「さあ行くぞセフィロス。検査の時間だ」
「やだ!」
「何を馬鹿を言っておるのだ。そもそも部屋にいないとはどういうことだ、あれほど勝手に部屋から出るなと言っておるのに。しかもよりにもよってこんな場所などに……」
「うるさーい!!!」
「な……っ!」
なんとセフィロスは強引に扉を閉めてしまったのでした。
扉を押し開けたポーズのまま戸口で小言を並べていた宝条博士は、普段は大人しいセフィロスが癇癪を起こしたことに呆気にとられていたこともあり、セフィロスがぐいぐいと押すドアにじりじりと外へ出され、うっかりそのまま閉め出されてしまいました。
「セフィロス!開けないか!」
「やだもん!ヴィンはかぜなんだもん!そばにいるんだもん!」
「なんだと、風邪だと?馬鹿者、なおさら早く開けないか!ここから出るのだ!」
「やだ!」
「くそ、開かないではないか……ヴィンセント・ヴァレンタイン!貴様、セフィロスに妙なウイルスなど移してみろ、許さんぞ!」
・【ヴィンセント】が退屈そうにしています
宝条博士はひとしきり扉の外で怒鳴っていましたが、1時間もするとようやく諦めたようです。
やっと静かな環境が戻ってきました。
しばらくすると、ヴィンセントはだんだん落ち着かない気分になってきました。
「セフィロス……その、退屈ではないか?ここではすることもないだろう」
「……?することあるから、へいきだよ?」
「すること…?ずっと私を見ているだけのような気がするのだが」
「だから、ヴィンのこと、みてるんだよ?たいくつじゃないよ?」
「……!」
「あ!もっと、あかくなった……ヴィン!だいじょうぶ?おくすり、もっかいのむ?」
「え、あ、いや…だいじょ……」
「もう、やっぱりちゃんとみてないとしんぱいだよ」
・お風呂はどうしましょうか。
「セフィロス…」
「なあに?」
「汗を掻いたからシャワーを浴びてこようと思う」
「ひとりでだいじょうぶ?いっしょに、はいる?」
「いや!一人でも問題ない」
「ほんとう?」
「あ、ああ……それより、そろそろセフィロスも部屋に戻ったほうが良い。私もバスルームへ行くし、だから…」
「……ここでまってる」
「しかしだな……」
「じゃあ、おふろまでついていく」
「な、何故そうなるのだ……」
「じゃあ、ここでまってる」
「そ、そうしてくれ……」
・「早く治るおまじないをして」と【ヴィンセント】が言いました。
「ヴィン、なにかしてほしいことある?」
「いいや、だいじょ……」
「ああ!やっぱり、おいしゃさん、つれてこないとだめだよね……どうしよう」
この屋敷で医者といえば、それはもちろん宝条博士です。
「ええと、ええと……そうだ!」
「セフィロス、落ち着いてくれ、だいじょ……」
「むらには、おいしゃさんいるよね!よんでくる」
セフィロスは部屋はおろか、屋敷からも飛び出して行きそうな勢いです。
「セフィロス!その、してほしいことを思い出した」
「ほんとう!?なあに、なにすればいいの?」
「ええと……そうだな、早く治るおなじないを……」
「おまじない?どうやればいいの?」
「そ、それはだな……」
・【ヴィンセント】がうとうとし始めました。
おまじないをしてくれと言ったヴィンセントでしたが、やり方をセフィロスが聞くと、うんうんと唸り始めてしまいました。
しばらく唸りながら考えていたヴィンセントでしたが、やがて唸り声が聞こえなくなりました。
「ヴィン……?」
「あ、ああ……すまない」
どうやら考え込んでいるうちに、眠たくなってきたようです……
・【ヴィンセント】が手を繋いで欲しいと言いだしました。
「ヴィン、ねむたいの?」
「そう、だな……」
「じゃあ、もうねたほうがいいよ」
「ああ……」
「あ!そのまえに、おまじない!ねぇどうやるの?」
「手を……」
「て?」
「手を繋いでくれないか……」
「それが、おまじない?」
「ああ……」
・【ヴィンセント】は眠ったようです。
「……ヴィン……?」
手を繋ぐと、あっという間にヴィンセントは眠ってしまったようです。
セフィロスが小さく呼んでも返事はありません。
ずっとヴィンセントを看ていないとと決意していたセフィロスですが、この様子なら大丈夫そう。
ヴィンセントのために、リンゴを切ったり、宝条とケンカしたり、頑張ったセフィロスです。何より、ずっと心配で、緊張もしていたのです。ちょっと疲れてしまいました。
セフィロスの頑張りもあって、どうやらヴィンセントの具合は大分良いようです。何かあっても隣で寝ていれば対処出来るでしょう。
そう思って、セフィロスはヴィンセントの隣に潜り込みました……
・完治した【ヴィンセント】に一言
朝になりました。
今日もいいお天気です。窓から差し込む朝日で目覚めたヴィンセントですが……
「な……っ!せ、セフィロス……何故……何故ここに……」
「ん……ヴィン?」
「せ、せ、セフィロス……」
「おはよう」
「お、おはよう……いや、それより……」
「んー……」
セフィロスがおもむろに、ヴィンセントのおでこにこつんと自分のおでこをぶつけました。
昨日とは違ってそれほど熱くはないようです。
「だいじょうぶ……かな?」
「……!?」
「ヴィン?ヴィン?どうしよう、おかお、またあかい……」
どうやら、ヴィンセントは前日の記憶が曖昧なようです。
顔も赤く、やはり言動のどこかおかしなヴィンセントを見て、セフィロスはまだ治っていないのかもしれない、と思いました。
「ヴィン、やっぱりまだねてないとだめだよ!」
えー、以下最初に戻るで延々ループする、と。 誰かブレイクポイント作ってあげて!(笑)
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