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Memo-log -ShortStory-

 二人仲良く台所に並んで、晩飯作って(ホントはほとんど俺一人だけど)、リビングのテーブルに向かい合って座って、作った晩飯食って。
 それから、ちょっとカッコつけてウイスキー垂らした紅茶なんか飲みながら、一昔前に流行った映画なんか見てみたりする。
 ソファで二人くっついて、たまに髪を撫でたり、指先絡めてみたり。
 テレビの中のべったべたなラブストーリーの主人公たちより、きっと俺たちのほうが幸せだよなーって思っちゃうくらいだ。
 うん、間違いなく、俺たちすごい幸せ。
 幸せな俺たちには勝てなかった映画の中の恋人たちがキスを交わして、そこでジ・エンド。ピアノの音が流れて映画のエンドロールが始まった。
 映画の中のカップルには負けられないから、俺もソファにダーリンを押し倒してキス。
 ちゅって軽いキスを3回、それから舌絡ませて深くて濃ゆーいの1回。
 好きだよって言おうとして、ちょっと顔を離したら、俺のダーリン、セフィロスはなんかすごい考えてる顔。

「……あのー……」

 俺たち、たった今まで、あっつーいキスとかしてたよね?

「……ザックス」
「何?」

 ちょっと首傾げて聞いてみる。可愛いくないからやめろっていっつも言う癖に、今日はそんな俺のお茶目な仕草が気にならないくらい、考え込んでる。
 ああ、眉間にヒビ入ってるよ。それでもじゅーぶん可愛いけど。
 
「考えたんだが」
「うん」
「なんで俺がいつも押し倒されるほうなんだろう?」
「はい?」

 何を今更言ってるんだろうね、この人は。
 いや、まぁ、最初っからずっとそうだったから、問題ないと思ってたんだけど。
 そりゃ最初はちょっと可哀想かなって思うこともあったけど、でも最近は気持ちよさそうにしてたよね?ね?

「えーっと、もしかして、抱かれるの、イヤ?」
「……そんなことはない、が」

 ちょっとうつむいて小さな声で答える。
 よ、良かった。ヤダとか言われたら俺ちょっと立ち直れない。

「じゃあ……ひょっとして、きもちよくない?」
「…………そんな、ことはない、が」

 さらにうつむいて、さらに小さな声で答える。ついでに耳がちょっと赤い。
 よ、良かった。よくないとか言われたら俺絶対立ち直れない。

「うーん、まさか、俺のこと押し倒してみたい、とか?」
「………………それは……どうだろう?」
「いや、俺に聞かれても」
「それはそうだが」
「俺はね、あんたが可愛くて仕方ないから。そりゃちょっと痛い思いさせちゃうこともあるけど、気持ちよくしてあげたいし、身体中撫でてキスして愛してぎゅーってしてあげたい」
「……」 

 耳からほっぺたまで赤くなって、それでも、うんってちっちゃく頷いてくれた。

「いっつもいっつも、そう思ってる。だから押し倒してキスして抱いちゃうの」
「…………」

 さらに真っ赤になって、また、うんって頷いてる。

「っていうことなんだけど。わかるかな?」
「………………わかった……と思う」

 おお、見事解決。
 さすが俺!
 セフィロス、納得したらしい。

「続き、していい?」

 返事をする代わりにきゅって俺の服の袖をつかむ。
 触れるだけのキスを1回、深く唇を合わせて角度を変えながら3回舌を絡め合わせる。
 

 うん、やっぱ俺たち超幸せだ。

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