ずーっと前回イベント直後から書いていた話が!
なんと!!やっと!!!
書き終わったああああああ!!!!!!
最終的に今37ページ、25000字超えたくらいになってるんですが(笑)
まぁ印刷したらコピー用紙10枚なので、ホチキスで留められなくもない(20枚は留まるそうです)んで、PDF配布はしますね。
冊子の形にすると、中とじ40ページだからかなり無理矢理感はあると思いますがw
KISSが44ページだから、あんな感じになりますね(今回配布のPDFには表紙裏表紙つけないのですが、実際に印刷所に出して発行するとなると44ページになります)
無駄なページがあると印刷した時に困るというか勿体ないので、あと2ページ半くらい増やしますので!
まだ最後まで書き上げたというだけで、後半はほとんど推敲していないし、何なら4ヶ月かけて書いているので、おそらく整合性がいろいろおかしいに決まっている。
ページ調整したり推敲したりで、明日はさすがに無理かな。来週のどこかで公開出来るようにします!!!!!
いやー満足した。
かわいそ可愛いセシルをこの半年さんざん書き倒したので、次の本は格好いいバディものとかにしたいですね!
強気の小悪魔生意気なセシルでエロ本もいいね!!!
両極端すぎんか。
次の締め切りまで2ヶ月ちょっとしかないぞ!!!!!
締め切りブーストがかかるので、次の本はここまで時間はかからないと思いますがw
冒頭を何度か載せてますが、キリがいいところまで載せとこう。
ここまでで1/4弱くらいです。
今日の部分は趣味に走りまくったカインと竜騎士団のシーンなので、オリキャラ注意報です。
本にするとなると、ちょっとこういうのは気が引けるんですよねー。
すごく好きなんですが。なのでコピー本やらWebやらで発散しています。
「増援は三人だけですね。全員、暗黒騎士でした」
陽が落ちるより前に、調査に行かせた隊員は戻って来た。早速報告をとカインのところへやって来た部下は、かなりの量の情報を持ち帰ってくれていた。
陸兵団が一月近く駐留しているにも関わらず、魔物退治が一向に進んでいないこと。むしろ状況は悪化していて、そのため近辺の町の雰囲気が良くないこと。そして投入された増援について。
次々と報告すると、最後に、戸惑いを隠せない様子で言いにくそうに、こう続けた。
「で、その三人なんですけど……あの、隊長。セシルさん、いましたよ」
ああ、やはり。
それが報告を聞いたカインの正直な感想だった。普段は大して勘など良くはないくせに、ろくでもない勘ばかりは当たるのだ。
暗黒騎士が増援に送られる際は、単独で出されることが大半だとセシルからは聞いていた。三人も一度に増援に出されることなど滅多にないはずだ。それだけ戦況が悪化しているのだろう。
「…………ッ!」
良くない方向にばかり想像が膨らみ、思わず舌打ちをする。部下の前だったかと気を取り直すと、カインは顔を上げた。
「……手は出すなということだったので、オレ、何もせずに戻って来たんですけれど……その、すみません」
セシルはカインを訪ねて頻繁に竜騎士団に姿を見せるので、末端の隊員でも顔を知っているのだ。隊長の親友が駆り出されていると知り、そしてそれを聞かされたカインの様子に、声すら掛けずに立ち去ったことに罪悪感を覚えているのだろう。
「いや、それでいい。お前はよくやってくれた。急な命令だったのにな。助かった、感謝する」
労いの言葉を掛けてやると、ほっとした顔で部下はカインの前から辞して行った。その後ろ姿を、カインとその隣で副隊長を務める男は見送る。天幕には二人だけになった。
「…………」
沈黙のほうがよほど痛い。
「……分かっている。予定通り、明日の朝ここを発つ。昼過ぎには城に戻れるだろう」
その後はどうしようとカインの勝手だ。
だが、もっとも城に戻ったところで報告だ何だとやらなければならないことはたくさんある。すぐに自由に動けるかと言えばそれも難しいだろう。
溜め息ばかりが零れる。そんなカインを見つめ、男も小さく息を吐いた。
「申し訳ありません、余計なことを言ったかもしれませんね」
「いや……どうせ城に戻ればわかることだ。不確実な情報で落ち着かないよりはマシだろう。だいたい、こういう状況も初めてではないからな」
そう、セシルが暗黒騎士になって一年が過ぎる。今までもカインの遠征と入れ違いでセシルが任務に出ていることは何度かあったし、この状況が珍しいわけではないのだ。
それなのに、何故こんなにも気に掛かるのだろう。
ただの気のせいだと言ってしまえばそれまでだ。むしろ、この任務が終わるまではそう考えていたほうが良い。
どう考えたってそれが最適だと分かってはいるのだけれど、得体の知れない気持ちの悪さがずっとつきまとっていて、消えてくれそうになかった。
そんな状態で眠れる訳もない。
夜半過ぎ、自分一人の天幕でカインはひっそりと身を起こした。
何をするのが正しいのか、それはよく理解をしているつもりだ。けれど、その正しいことがカインにとって大切なことなのか問われれば、素直に頷くのは少々難しいかもしれない。大切なことのひとつではあるが、最も大切なものは他にある。
暗い天幕の中で、手早く鎧を身につけると、外に出ようとした。その直前、するりと天幕の入り口から一人の男が忍び込んできた。
カインは大きく溜め息をつき、低い声で言った。
「……どいてくれないか」
「行かせません」
上官の命令は絶対のはずの男は、入り口に立ち塞がったまま、一歩も動くつもりはないようだった。どうやらずっと見張られていたのだろう。カインはまた大きく息を吐くと再び低い声で続ける。
「力ずくで通ることも出来るが」
「望むところです。他の連中が集まってきますよ。そうすれば困るのはどちらでしょうね」
「……ッ」
副官の答えにカインは舌打ちをする。男の言い分のほうが圧倒的に理にかなっている。
無謀だと、無責任だと分かっている。それでもこのままここで何もせずにいるよりは、動いたほうが後悔はしない。動いた結果、たとえ現実にはカインが憂慮するようなことは何も起こっていなかったとしても、動いたことを後悔はしないと思うのだ。
「俺は……っ」
「朝まで」
カインの言葉を遮り男が静かに、だがきっぱりと言った。
「朝まで待って下さい。今ここで一人で行かせるわけには行かない。止めても無駄なことはわかっている。ならばせめて、一隊を連れて、隊長として行きなさい」
「…………」
カインがここから一人で隊を離れれば、事情はどうあれ、脱走と見なされることは確実だ。軍において脱走という行為は非常に重い罪なのだ。脱走兵にするわけにはいかないと男は言う。それよりは、一隊を連れて、国の許可なく勝手に他団の増援に行ったという独断行動のほうが、罪としては遙かに軽いだろう、と。
カインが一人で動けば、それはカイン・ハイウインド個人として、隊から脱走し友人を助けに行ったということになる。しかし、隊員を率いて竜騎士団の隊長として動くのであれば、近くの戦場へ許可なく増援に向かったという越権行為が問われる程度だ。陸兵団がかなりの苦境に陥っているのであれば、竜騎士団の動き次第では罪が減刑される可能性もある。
にらみ合いを続けながら、それでもようやく少し冷えた頭で考えれば、男の言葉の意味が理解できた。
「……小隊をひとつ連れて行く。他はまとめて帰還させてくれ。そちらは任せる」
「はい」
「すまないな、扱いづらい隊長で」
「……リチャード様も同じことをするような気がしたんですよ」
「そ、うか」
不意に父親の名を出され、カインは戸惑う。
「あの方なら、隊長として堂々と動くと思いますよ。そういうところは意外に強かな人でしたから」
父親としては、常に正しいことをカインには教えていたように思う。だが、大人になればなるほど、正しいことだけではどうにもならないことがあるのも事実だ。そういう時にどうしたらいいのか、それを息子に教えることはないままに、父は帰らない人となった。
「堂々と、か……」
「戦場でのカイン様の勘の良さはリチャード様を上回る。自分の判断を信じるべきでしょう。確かにあなたのしようとしていることは正しいことではないが、間違っているわけでもない。ならば胸を張っていなさい。ずるくはなりきれないのが、今のカイン様の良さではあるのでしょうが」
それを捨てる覚悟も必要だと教えてくれているのだろう。この男は、父と同期だったと聞いている。
「まあ、まだ十八歳の若者に言うことではないか」
独り言のように男が言う。裏を返せば、息子ほどの年齢でしかないカインを、子供としては見ていないという意味だ。普通の子供よりもずっと早く、大人の世界で生きることを選んだカインには有り難いことではある。
「いや、よく覚えておく。どう動けばいいのか、やっと分かったような気がする」
「ならば、良かった」
この男の期待も裏切りたくはないと思う。
一つでも多く大切なものを守るため、そして一番大切なものを守るため、自分の信じた道を貫くしかない。
この辺り書いてたのここの日記によれば2月の終わり頃ですよw
コンセプトは「2月に出した本の1章後半をカイン側から書いたサイドストーリー」なので、延々ずっとカイン視点の話です。
本で描かれているのはセシル視点なので、ずいぶんと格好いいカインに見えるんですが、実はけっこうカインも悩んだりへこんだりしながら周りに助けられて精一杯頑張ってたよって話にもなっております。
まだ18歳なんだぜ、このカイン。
タイトル決めないとなー。