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転んでもタダでは起きぬ。

東京では曇天でしたが、どうやら日食が見れたらしいですね。
私は室内でせっせと仕事していて気付きもしませんでしたが(苦笑)
見られたらネタにしたいなぁと思ってたんですけれどねぇ。
ま、日食くらいじゃ今更ガタガタしませんかね、あの世界は。メテオとか乗り切っちゃった後じゃ、尚更に(笑)

そんな一大イベントとは関係なく、短いのをさくさくっと書いてみたので、折りたたみに入れておきます。
宝セヒです(初書きだなー)



 苛々する。
 解ってはいるのだ。生物としての生育上、避けられないことであるのは、解っている。
 だが、欠けている部分があるなど、認めらない。
 不完全であるなど、許せない。
 あれはヒトを超えた存在なのだから。
 不完全な状態のあれを見るたびに、苛々する。

 日課となっている検査を行いながら、合間にやはり日課の問診を行う。
 必要最低限の返事しかしない取り澄ました表情は、文句のつけようもなく整っている。
 これの外見を、作り物めいた容貌だと評する輩は多い。
 何も解ってはいない愚か者共の愚かな評だ。
 これの唯一作り物でない部分が、外見だというのに。
 己の子を実験に差し出すと言い出したときは、やはり女である前に科学者かと、ある種感心もしたが、所詮はただの女だった。
 母などという存在は必要ないのだ。
 だから引き離した。
 結局のところは、予定通りだったのだから、大して腹立たしくは思わなかった。
 このように美しく産み落としたというだけで、あの女はそれなりに価値のある存在だったと言えよう。
 難点だったのは、あの女に執着していたタークスごときの男が、あれにも執着したことだ。
 だが、その男も排除した。
 あれは、男のことを覚えてはいない。
 すべては、完璧に進んでいる。

「睡眠は何時間取った?」
「6時間」

 出力したデータを挟んだボードに視線を落としたまま質問をすると、端的な答えが返ってくる。
 ごく短い言葉だったが、一瞬その口元に視線をやってしまった。
 苛々する。
 ろくじかん、とたった5文字のために開かれた口、Oの形を作る淡い紅色の唇、その隙間から覗く赤い舌先。
 すべてが寸分違わず完全なパーツを形成しているのに、白い歯が、1本足りない。
 #Eいや#8になるのだろうか。いずれにせよ、右上の中切歯だ。
 生え変わりの時期なのだ。
 だが、苛々する。
 これに欠けている部分があるなど、許されない。
 苛々する。
 ちらちらと見えるから不愉快なのだろうか。
 ならば、 

「口を開けろ」
 
 顎を取って、口を開かせる。
 間近で見たところで、足りないものはどうしたって足りない。
 不完全だ。
 ああ、やはり苛々する。
 
「ふん」

 口内を一通りチェックした後、手近に置いてあった器具の内から、抜歯鉗子を取り上げる。

「いずれ、他の歯も抜かねばならないだろうな……これを使う」

 一瞬、頬が引きつった。
 この1年、泣きも笑いも怒りも悲しみもしなかったくせに。
 
「くっくっくっ……」

 
 ああ、清々した。


べ、別に最近私が歯医者に通ってるからじゃないからね!
2週間連続で歯抜かれたからじゃないからね!!

……嘘です、ごめんなさい。
1度目の抜歯が終わったあと(麻酔効いててまったく痛くなかったのを良いことに)、「歯抜かれたの20年ぶりとかじゃね?生え変わりの時期以来だよ……乳歯かぁ……子セヒの歯が生え変わるときは宝条がwktkしながら抜きそうだw」とか思ったのは私です。
生え変わりの時期で、子セヒの前歯が1本ないとか超可愛いと思うんだけど。
……そんなこと思うの私だけですね、スミマセンorz
ちなみに麻酔切れた後、丸一週間くらい鎮痛剤が手放せなかった上に、ようやく痛みの収まった一週間後に再度抜歯されたりと罰をくらったので大目に見てやってください(笑)今も口の中穴だらけで物が食べにくいったら。穴ふさがるのに1月から半年ってマジですか。
歯医者はちゃんと行ったほうが良いですよ、ほんと。


マトモな更新も近いうちに必ず。
きっとZSかな?と思います。季節モノのネタを書かねば。
気分がぶれなければ多分そんな予定です。