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真逆の話。

といっても別に逆カプの話ではないです(笑)

や、してもいいですけどね?私、どっちも好きなので。
ただ、自分で書くのはカイセシだけですが。
というか、逆を書いても同じものにしかならないことは分かっているので書いても意味がないというか。
じゃあなんでカイセシなのかと言うと、「僕はどっちでもいいんだけど、カイン下は嫌がるだろうなぁ。じゃあ僕が下でいいか」ってセシルさんが思ってると私が確信しているからです。けっこうマジで。
カインさんさえ良いって言えば逆にもなると思うよ。たぶん言わないと思うけど。
というようなすっごい単純な理由でカイセシ書いてます。

カイン受けはセオカイがイチオシだよ。
書くならセオカイとエジカイが好きです。『けれど僕は~』の中盤のエブラーナでのカイン・エッジ・セオドアのシーンはすごいお気に入りだったりします。


で。本題。
昨日の続きを書こうと思ったんですけど、ぜんっぜん違うのが書きたくなったので、今日は別の話を。

えー、セシルさんしか出てこない上に、ものっっそい病んでます。
ついでにR-18で。
自己責任でお願いします。



 早く、早く会いたかった。
 任務の途中から、もうそれしか考えられなくて。
 国に帰ったら真っ先に、カインのところに行こう。
 早く会いたい。

 抱きしめて欲しいキスをして欲しい身体中に触れて貫いてこの熱がおさまるまで激しく揺さぶって。
 そうして何もかも忘れてあの腕の中で眠りたかった。


「カイン…カイン……なんでいないの」
 けれど、現実はセシルにとても冷たい。
 帰国して、あまりのもどかしさに気が狂いそうになりながら、帰還の報告を済ませる。
 預かったばかりの、隊長の任だ、どんなに気が急いて身体が限界を訴えていても、責任を投げ出すわけにはいかなかった。
 報告と共に知らされたのは、カインのいる竜騎士団が国内にいないという事実。
 セシルの帰国と入れ替わるように、今朝、バロンを発ったという知らせ。
 とうに真っ暗だった目の前が、さらに黒く塗りつぶされていく。
 
 報告を済ませ、ふらふらと回廊をあるく。
 ざわついているはずの城内、先ほどからたくさんの人とすれ違っているはずだけれど、何も耳には入ってこない。
 ただ、キンと耳鳴りがずっとしていて、頭がズキズギと痛んで、身体は熱を帯びて気怠くて。
 こんなどうしようもないセシルの身体を、どうにか出来るのはカインだけなのに。
 そのカインがいない。

 どうしようあいたいくるしいたすけてこわい
 
 彷徨うセシルの足は、勝手にカインの部屋へと向かう。
 いないことは分かっているのに。
 ぐっと手にはカインの部屋の鍵を握ったまま。ぶるぶるとその握った手が震え続ける。
 何度も、何十度も、いや何百回も歩いている道のりなのに、なかなか部屋にたどり着けない錯覚をする。
 ようやくたどり着いた部屋の扉。
 周囲に誰も居ないことを確かめ、そのドアノブに縋り付くように鍵を差し込もうとする。
 だが、カタカタと手が震えてなかなか鍵穴に入らない。
「カイン……カイン……」
 声に出してその名を呼ぶ。まるでたったひとつの祈りの言葉のようだった。
 名を呼ぶと、少し手の震えがおさまって、なんとか鍵を開けると、転がるように部屋に入る。

「どこにいったのはやくかえってきて」

 理性では分かっていたはずだけれど、誰もいない室内に、セシルの口からは子供の駄々のような言葉が零れた。
 まるで昼寝から目覚めた幼児が、母親の姿が見えずに泣きわめくのに似ている。
 

「……っう……あ、っ」
 身に纏った漆黒の鎧を外していく。
 そう、言葉通りに、外すのだ。己の身体から。生身の身体から。
 打ち付けられた鎧を、引き剥がしていく。
「いたいカインたすけていたいいたいよカイン、カイン……」
 悲鳴を堪える代わりに、祈りの言葉を、彼の名を呼ぶことしか出来ない。
 痛い助けてと繰り返しながら、身に纏った暗黒の枷をすべて捨て去る。
 傷だらけの身体。
 はやく抱きしめて欲しいのに、その腕がここにはない。
 寝台に倒れ込む。今朝、カインが寝ていたはずの寝台。
 綺麗に整えられてはいたけれど、微かに残るカインの匂い。
「あ……ぁ、ぁ、ん……カイン……」
 決してこんなことをするために、合い鍵をもらったわけではないはずだった。
 いや、もしかしたら、カインは全部分かっていて、くれたのだろうか。
 カインがいないと、生きていけないセシルの身体。

 騎士として、少しでも高みに行くために。少しでも、陛下のお側に、そして先を行くカインの隣に。
 そのために手にいれた暗黒の力は、あまりに多くの代償を必要とした。
 その力を使えば使うほどに、消耗する体力。代わりに昂揚する精神。
 バランスの取れない心と肉体は悲鳴を上げて、より強く本能を刺激した。
 食欲・睡眠欲・性欲、セシルの場合は性欲に強く影響が出た。
 ただでさえ戦場という場は男の持つ生殖本能を刺激するのだ。
 闇の力を使えば使うほどに、その暗く冷たい波動とは真逆の、熱く激しい奔流が身体を苛む。
 それを沈めてくれるのは、ずっと傍にいた唯一無二の親友にしか出来ないのだ。
 
「ふ、ぅ……あ、あ…んっ」
 息を大きく吸うと、残されたカインの匂いが鼻腔をくすぐる。
 少しでもカインの痕跡を感じたくて、指でいつもカインがしてくれるように、身体に触れようとする。
 けれど冷静さを失ったセシルに、記憶を辿ることは難しくて、その思考は、一番強い衝動と欲望に直結する場所へ向かう。
 寝台の隣に置かれた小さな棚の引き出しに、香油があることは知っている。
 がたがたと震える身体でそれを何とか取り出すと、右手の二本の指につうと垂らす。
 ぬるぬると滑る指が向かうのは、当然、後ろの窄まりだ。数度入り口を往復させたが、すぐに指を一本、中に沈めた。
「あっ……あ、カイ、ン、…ん、っ……」
 いつものように名前を呼ぶ。けれど、セシルと呼び返してくれる声はなくて。
「んッ……あ、あ」
 その寂しさをごまかすように、わざと声を上げて指を更に奥に進めた。
 けれどそんな事で寂しさがごまかせるはずもない。
 あまりに空虚、空しい、寂しい、足りない。
 もう一本、指をむりやりに後ろに差し入れた。
「う……ぁっ……や、ん」
 そうして、いつもしてもらっているように、指を何度も出し入れして、時々内側を押したり引っ掻いたり、二本の指を広げてみたりしたのだが。
「カイン……カイン……なんで、どうして」
 ほしいものが手に入らない。
 ちっとも気持ちが良くない。
 これではないのだ。
 セシルがほしいのは、これじゃない。
「ちがう、おまえじゃないカインじゃない」
 なんで、どうして、とセシルは泣く。
 身体は確かに熱を有していて、刺激を求めているのに。
 感じるはずの場所で、ちっとも快楽が得られない。
 けれども確かに本能は目覚めていてセシルの身体を苛んでいて。
 その証拠に、中心は勃ち上がって、透明な滴さえ零している。
 ままならない身体と満たされない心にすすり泣くことしか出来ない自分。
 せめて身体だけでも解放したいと、中心に指を絡める。
「ぅ……、い、や……っ」
 一番自分の感じるように触れているのに、何もかもが空しかった。
 ただただ、早く終わらせたい。
 身体だけでも楽になれば。あとはこの空虚な心だけを抱いて、彼の気配の残るこの部屋で眠れるだろうか。
「……あ、っ……ん……ああ、あッ」
 身体に巣くう熱が弾ける。
 どろりとした粘性は、セシルの身体に絡みつく闇の重さに似ていて。
 ただ、どす黒いはずのその闇は、なぜか白い濁りとなって、吐き出されるのだ。


「カイン、カイン……」
 たった一つの祈りの言葉と共に、セシルは目を閉じる。
 

 あいたい
 あいたい
 あいたい
 
 いますぐに。
 だきしめてこえをきかせてかみをなでて
 
 そばにいて
 


 
 生きていけないのは、身体ではなく、心。
 この孤独は、気付かないふりをした、罰だったのだろうか。
 
 







こういう方向性の、暗黒騎士になる前後の話、しっかり書いていずれ本にしたいなぁーと思ってます。

今日、なんかずーっと朝から私の脳内でセシルさんが暗黒騎士だったので。
どうしてもこれ書きたくて書いてしまった。

昨日までのノリと正反対でスミマセン。

昨日の続きは週末にでも。

あ、あと誤字とか表現おかしかったらゴメンなさい。
書いたのほとんど読み返さずに載せてます。
ピクシブかサイトにちゃんと載せる時にまた直します……この手の年齢制限あるようなヤツは書いた直後に読み返したくない……(おい)

なんでこんなに立て続けに文章書いてるかと言うとですね、まぁ6月の原稿がない腹いせってのもあるんですが。
仕事がね、今、書類仕事のターンでして……げふ。
一日エクセルで書類と資料作ってるもんで……夕方までフォトショ立ち上げてなかったとか、ちょっと耐えられない……。
何か作ってたいのでずよ。


ああ、なんか書きたいもの書いてスッキリした。
寝よう。