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ラストー!

週末です。

久々に、諸々の事情からアナログ絵を描きました。
二次絵じゃなくて、本気のデッサンなのでアレですが。
大きい紙(50×60くらいかな、木炭紙なので)に描いてたんですけど、ここまで大きい紙に絵描くのって、楽しいね!
たぶん中学校の美術の時間以来だと思うんですけど、ああいうの。
普段、PC上でチマチマ、ああズレた!とかはみ出た!とか思いながら描くのとぜんぜん違ってすごく楽しかった。
がさがさ、適当に線引いてって、あ、微妙かなと思っても気にせず上からどんどん描き込んでいくのはちょっと新鮮。

もちろん、デジタル絵も描くの楽しいですけどね。
デジ絵は何が良いって、好きなだけ戻れるところかなー。
仕事柄、非破壊編集が大前提なので、いつでも戻りたいところに戻れる(最近、仕事外ではこれ止めようと思って、試行錯誤してはいるんですけど)デジ絵はある意味楽ではあるかなぁ。
最近、だいぶモニタと出力した時の違いの計算も出来るようになったし。
致命的に足りないのはセンスと画力ですね!
あ、ヤバイ、バランスおかしい……と思ったら部分的に縮小したりとかデジタルはその辺が融通効き過ぎるので、なかなか実力が付きませんw
せめて線画くらいまでアナログでやるようにすれば良いんでしょうけどねー。
あとは遊びのセンスが欲しいです。
ちょっと突き抜けてるというか、ナナメ上行く感じのセンスが欲しい。
今、その辺を身に付けたくて、あれこれ挑戦してるんですけども……



さて、何日か前の続きですー。
これでラスト。おしまい。



 尋ねてみたいことは、たくさんあった。
 離れていた十年以上の間、彼が何を思い、何をしていたのか。

 ……寂しくは、なかったのだろうか。
 
 彼は、決して社交的ではないのだが、人間嫌いという訳ではない。
 セシル以外にも友人はもちろん居たし、部下からは慕われてもいた。

 ……ずっとあの山に、一人でいたのだろうか。

 ほんの一瞬、長かった時間に触れた彼の声。いつもと変わらないけれど、ほんの少し哀愁と懐かしさが混じる声だった。
 そう思うのは、考え過ぎだろうか。
 
 なんだか急に、彼を抱きしめたくなって、けれどもその衝動は自分の中に押し留める。
 その代わりに、髪にそっと手を伸ばした。
 寝乱れた髪を、手で梳かし撫で付けるように、ゆっくりと髪に触れる。
 昔から伸ばしてはいたけれど、ここまで長く伸ばしたところは見たことがない。
 腰にかかるくらいの長さがある、金糸のようなまっすぐな髪。
 さらさらと指の間をすり落ちていく感触。
 


「……仕事は?」
「うん?」
「行かなくて良いのか?」
「そうだなあ……別に半日くらい休んでも、ね」

 もう少し、このままこうしてのんびりしていたい。
 ただただ、静かにゆっくりと時間が流れるだけの、何でもない、何も無い、二人きりの空間。
 
「邪魔なら行くけれど」
「誰がそんなこと言った?」

 彼の言葉の意味など分かってはいたけれど、少し意地悪を言ってみた。
 邪魔にされているとはまったく思ってはいなかったが、そう口にしてみる。
 返ってきたのは、まったく素直ではない一言。
 枕に顔を埋めたまま、こちらに視線すら寄越さないのだから。

「いて欲しいならそう言えば良いのに」
「だから、誰が」
「はいはい。僕が勝手に言ってるだけですよ」 

 髪を撫でていた手で、ぽんぽんと頭を軽く叩くと、カインが頭を上げてセシルを見上げた。
 
「何?」
「お前、さっきから俺のこと子供扱いしてないか」

 思わぬ一言に、一瞬面食らった。
 だが、

「…………っ、く、くくっ…」

 当たらずとも遠からず、と言ったところだろうか。
 そう言われてみれば、そんな気がしないわけでもなく。
 不機嫌半分、本気半分な表情で見上げてくるカインの顔を見つめ返すと、笑いが止まらなくなってしまった。

「セシル、お前なぁ」
「あー……、本当に可笑しい」
「おい」
「カイン、可愛いなぁ」
「は?」
「お前の事がこんなに可愛く見える日が来るとは」

 思ってもみなかった。

 ずっと、年上の頼りになる人だと思っていた。
 ライバルだ、負けない、と口では言っていたけれど、それ以上に誰よりも頼りにしている相手だった。
 たった一つしか違わないのだけれど、その一年の差に甘えて、寄りかかって。
 今ならば分かる。
 逆に彼は、その一年の差にどれだけ悩んで、強くあろうとしたことだろう。
 それを思うと、笑っていたのに、今度は泣き出しそうになってしまった。
 
 ごめん、もう一方的に甘えたりしないから。
 だから、もうどこにも行かないで。
 
 そう言えたら。
 
「……いつも甘えてばかりだったから、たまには甘やかしてみようかなと思ったんだが」

 けれど、口から出る言葉は精一杯の強がりだ。
 それが既に甘えている証拠でしかない。
 
「十年早い」
「え? ……うわっ」

 カインがぼそりと答えると、ぐいと腕を引かれた。
 目覚めた時と同じ、腕枕に逆戻りだ。
 
「昼まで寝るから、ここにいろ」
「…………うん。……カイン……」
「なんだ?」
「急に素直になるからちょっと驚いた」
「言えと言ったのはお前だろう」

 呆れたようなため息がひとつ、セシルの髪をくすぐる。

「うん……だから嬉しいよ」
「そうか」
「お前と、こんなくだらないやりとりが出来て」

 また出来るようになって。
 
「すごく嬉しい」
「……そうだな」

 馬鹿なことをと笑われるかとも思ったが、返ってきたのは肯定の言葉だった。
 
「おやすみ」
「ああ」

 ぐずぐずと溶けてしまいそうな、暖かい温もりの中、ゆっくりと目を閉じた。
 目が覚めたら、また、この幸せな時間が続きますように。
 繰り返し繰り返し、何度でも。
 
 手の届くところにある幸せを抱きしめて、眠りに落ちた。


 


やー甘かった甘かった!
ようやくWeb用の文章の書き方思い出してきたんですけど、思い出したら無闇矢鱈に甘くなる罠。
考えてみれば、Webで昔書いてたのは、どれもけっこう甘いものばっかりだった!

まぁ、オフ本の長編は、あんまり甘くならない(あんまりどころではない)ので、Webくらいは甘くてもね!いいよ!

なんか、セシルさんがカインさん甘やかしてる話になってましたが。
実はこれ、セシルさんに「カイン可愛い」と言わせるための話でしたwww
でもセシカイじゃないんだよ。カイセシだよ。だから萌えるんだよ。

ぶっちゃけ、TA後だと、セシルさんのほうが子供いるという点もあって、包容力あると思うんです。
カインさんにあるのは包容力とは別のものだと思う。あの面倒見の良さは性格的なものの気がします。もちろん、人よりハードな人生送ってきた分、懐は広いと思いますけどね。私はよく、カインは優しいと小説内で書く事が多いんですけど、カインさんのほうがセシルさんより優しい人だと思ってます、実は。
二人ともお互いいい大人になりましたが、二人きりのときは背負ってるものとか抱えているものを全部忘れて、甘えたり甘やかされたりして、まったりすれば良いと思います。
TA後は全力で幸せバカップルを推奨する!!!
……まぁ、そのうちまたトラウマ突くような話も書きたいですがw


ところで、前2回のを軽く直したりして、今回のとまとめてピクシブに上げてます。

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「手の届くところにある幸せ【FF4/カイセシ】」/「ムツキ」の小説 [pixiv] http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=2338247

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サイトにはそのうち仕舞います。

さて、また明日は月曜日だなぁ……喉が痛いが風邪じゃないと言い聞かせる、気のせい!
来週末は予定ぎっしりで休んでる場合じゃないのだよ……