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不意打ち

母に買ってきてくれと頼まれた本を渡したら、
「そういえばあんた本ばっかり読んでるけど、自分で書こうと思うことないの?」
と突然聞かれました。
びびびびび吃驚するじゃないか……!
「え、なんで?そもそも書いてどうするのよ」
と平静を装って答えましたがw
すいません小説書いて装丁して本作るのが趣味です……!とは言えるはずがない。
書こうと思うどころか実際に書いてます、10年近く前からwww

ちなみに、書いて芥川賞に応募するとか、と言うのが母の答えでしたが。芥川賞は公募じゃないし、そもそも純文学は書く以前ほとんど読まないよ私www
ということで、無事乗り切ったのでした。

小説は趣味でいいよー。
オリジナル書いてた時期もあったし、今後もまた書きたいとは思ってるけど、作家になりたいとはまったく思わないです。
ネットのない時代だったら作家になりたいと思ったかもしれないですけど、今はプロにならなくてもいくらでも作品発表する場があるもんなぁ。
ここで書いてるので満足してます。

ということで、そんな趣味の作品を晒します。

「お忙しいのにわざわざご足労頂いて、ありがとうございました」

 ポロムが隣を歩くセシルを見上げて、礼を言う。
「いや、こちらから持ちかけた話だからね。長老に直接お会いしてお話ししたいと思っていたし」
 そう返事をしたセシルは、一段声を低くし、幼い頃からよく知る白魔導士の少女に囁く。
「たまには外遊に出られるほうが私も嬉しいんだ。良い気分転換になる」
「セシルさんったら」
 ミシディアを代表する魔導士として、外交用の畏まった口調を崩さなかったポロムが、兄のように慕うセシルの冗談に、ようやく彼女らしい笑顔を見せる。

 そんな二人の数歩後ろをカインは歩いていた。
 セシルが言ったように、バロン国王である彼自身が外遊に出ることは、ここ最近では珍しいことだった。
 本来、城や国内で大人しくしていられるような性格ではなく、手が届く限りは何でも自分で動きたい性分のセシルなのだが、さすがに現在の情勢ではなかなか国外には出られなかったのだ。
 民は皆、セシルはこの星を襲った脅威に捕えられ、カインを筆頭にした仲間たちの活躍もあり幸いにも無事に戻ってくることが出来たのだと信じている。その国王がまた国を不在にし、外遊に飛び回るのでは、国民が不安に思うことは容易に想像が出来る。
 カインがバロンに戻ってきたこともあり、各国との連絡や調整は主にセオドアとカインに委ねることが多くなっていた。
 そんな中、久々にセシル自らが国を出て、ミシディアを訪ねたのだ。
 護衛の対象がセオドアではなくセシルだというのは、カインにとっては少し不思議でもあり、同時に新鮮でもあった。
 
「あの……!」

 ふいに声をかけられ、近付いてきた見知らぬ人物の気配に、一瞬カインの身体に緊張が走る。
 怪訝な顔で振り向くと、そこには十代の前半と思しき少女の姿があった。
 足を止めたカインに気付き、セシルとポロムも立ち止まり背後を振り返る。
 
「なんだ?」
 随分と身なりの良い少女だった。
 蜂蜜色の髪を丁寧に結い上げ、落ち着いた臙脂色のビロードの外套を身に纏っている。
 カインが訝しげに尋ねると、少女はカインをまっすぐに見上げてこう言った。
「私のこと、覚えてらっしゃいませんか?」
「なに……?」
「ずっと昔、あの館の前で」

 ニァ、と子猫が鳴く声が、脳裏に蘇る。
 
「あの時の娘か」
「……はい!」
 良かった、人違いかと思いました、と少女は安堵したように微笑む。
「あの時は、ありがとうございました」
「いや、俺は何も」
 むしろ礼を言うのはカインのほうだろう。
 優雅な仕草で頭を下げた少女の姿が、あの雨の日の幼い姿と重なる。
 あの日別れた子猫はどうなったのだろうか。
 そんなカインの心の内に気付いたのか、少女が笑みを浮かべ言った。

「セシル……あ、あの子の名前なんですけれど、元気にしています」

 思いがけない少女の言葉に、カインは一瞬面食らう。
 数歩離れた所に立つ親友と、その隣でポロムも驚いたような顔をしていた。
「そんな名をつけたのか」
 驚愕が去ると、妙な可笑しさがこみ上げてきた。カインは小さく笑う。
「ごめんなさい、家に連れて帰った後に気付いたんです。名前を聞き忘れてしまったって」
「構わん、名前は決めていなかったからな」
 一人と一匹だけの生活だった。
 呼び名など必要がなかったのだ。
「あまり猫らしくない名前だって言われるんですけれど」
 少女が苦笑する。
 そんな彼女にカインは、いや、と小さく首を振る。
 銀色の小さな子猫が首を傾げて甘えて鳴く姿を思い出す。

「……似合いの名を、貰ったんだな」
 
 ぽつりと零れた言葉は、とても穏やかな声音だった。


 
 時間のある時に屋敷に会いにきてください、と言い残し少女は去っていった。
 どうやら、カインの顔は覚えていたようだが、その身元までは気付かなかったようだ。知ればきっと驚いたに違いない。
 
「……驚いたな。猫の名前、なのか?」
「らしいな」

 奇しくも猫と同じ名だったセシルが、少女の背を見送るカインに苦笑しながら問いかける。
 突然自分の名が、見知らぬ少女と親友の間で出れば驚くのも無理はない。
 
「あの子とお知り合いだったんですね」
 ポロムの言葉に、ああ、とカインが頷く。
「以前、ほんの少しだが、会ったことがある。……彼女を知っているのか?」
 あの子、という言い方が引っかかり、逆にカインはポロム尋ねる。
「ええ。何度かお屋敷にもお邪魔したことがあります」
 そう答えたポロムが思い出したように、ああ、と声を上げる。
「銀色の、綺麗な猫ちゃんがいるんです。名前までは私も知らなかったんですけれど」
 まさか、セシルという名だとは思わなかった。
 ポロムとカインの視線が、セシルに集まる。
「そういえば、少しセシルさんに似ているかも」
「……そうだな」
 くすくすと笑うポロムに、カインもフッと笑みを見せ同意する。
「甘ったれで、生意気で、我が儘なところがそっくりだったな」
セシルの顔をちらりと見やりながら、そう言ったカインに、なんだよそれ、とセシルが抗議の声を上げる。
「だいたい話がさっぱり見えないんだが」
「昔の話だ。お前には関係ない」
「いや、どう考えても関係あるだろう。だったら僕の名前がなんで出るんだ」
「偶然の一致だ、気にするな」
「いや、気になる。詳しく聞かせてくれ」
「……気が向いたらな」
二人の子供じみた言い争いに、ポロムが呆気にとられた後に、ふっと吹き出した。
「ポロム?」
セシルとカインが、口論を止め、笑い続ける彼女を見つめる。
「ローザさんが、言ってたんです。
普段は正反対なのに、たまに二人はとてもよく似てるって。
それを思い出したら、なんだかおかしくなってしまって」
ごめんなさい、と言いながらなおも彼女は笑い続ける。

ポロムにそう語ったときのローザの表情と口調は何となく二人には想像がついた。
きっと、どうしようないんだから、と呆れ半分だったに違いない。
今はバロンで二人の帰りを待つ彼女の姿をカインは思い起こす。
そう、気が向いたら、彼女には語っても良いかもしれない。
ほんの一時、共に過ごした子猫の話を。

ニァと鳴く、セシルという名の銀の猫の柔らかな温もりを、懐かしく思った。


Fin.



や、やっと最後まで載せられた……!
ちなみに最初に載せたのが8月の終わりでした。なぜ2ヶ月もかかったんだろう。
3回くらいで終わるつもりが、倍になってしまいました。
1万字超えてるみたいなので、分量的にも20ページのコピ本くらいの長さになりますね……やっぱり本に出来たな、この話w
でも、たまにはウェブで長めの話も良いかもしれないですね。

このオチは書く前から決めてありました。
書くかどうか迷って結局入れなかったのですが。
実は子猫を譲られた女の子の名前はローザと言います。彼女は同じ名前のバロン王妃に憧れていて、偶然拾った猫に、王妃にあやかりその夫の名前を付けました。
ということで、猫のセシルの名前の元ネタは、本当にセシルさん本人だった、なんてところまで考えてたんですが、カイン視点で最後まで書ききりたかったのでばっさりカット。
名前だけは出そうかとも思ったんですが、結局それもやめました。って、ここに書いちゃったけどな!


ということで、長々とおつきあいくださった方、ありがとうございました!

……さすがに足かけ2ヶ月かかっていると、どうも文章にばらつきがあるので軽く修正して、サイトとピクシブにまとめてアップしようと思います。
こことピクシブには載せたけど、サイトに載せてない話、というのがいくつかたまってるのでその辺もまとめて整理しようと思います。

ひとまず今日はここまで。
おやすみなさいー

ついつい

ちょっと息抜きのつもりが、なんかがっつりやらかしてしまった……
しかし楽しい。

ファイル 364-1.jpg


スキャナ使うのが面倒だったので(作業用のPCを立ち上げなければならない)、携帯で写真撮ったものですが。ちゃんとしたのはまた後日。
ほんっっっっとおおおに珍しく、というかたぶんアップするのは初めてですが、アナログで描いてます。
今回のイメージ絵でした。
基本的にデジタル絵ばっかりなので、紙に描くと、いつも以上に構図がグダグダですね……ほら、デジタルだと、余白足すのも場所動かすのも自由だから多少の修正は効くわけですよ……
最近、たまに美術方面のプロの方(絵画などを専門にしてる方やデザイナーさんなど)とお話する機会があるんですが、会話の中で「デジタルでしか絵を描いたことがないっていう人が出てくる時代が来てるんだね」という話が出たのが印象的でした。
自分の作品(もちろん同人作品じゃないですよw)を見てもらうこともあるんですが、私の作品はデジタル前提の感性だとも言われました。あんまり自覚はないんですけど。
専門が違う人達と話していると、絵を描くということ一つとっても考え方が根本的に違っていたりして面白いです。
なので、私も、最近出来るだけアナログでも絵を描くようにしているんですけれども。難しいねー。

そんな余談は置いておいて、本題の小説行こう。


 館の重厚な扉を押し開けると、雨の湿った匂いが鼻についた。
 扉を出て三歩も歩かぬうちに、子猫のニァという声が耳に届く。
 てっきり足元に寄ってくるかと思ったのだが、声がするのは真下からではなかった。
 
「待って、ね、暴れないで……」

 ニャァニャァと鳴く子猫は、一人の少女に抱かれていた。
 薄水色のドレスに見覚えがある。
 先ほど、館の中ですれ違った蜂蜜色の髪の少女だ。
 彼女は、腕の中の子猫がカインに向かって鳴いていることに気付くと、猫を逃がさぬよう必死に抱きながら、彼の前まで小走りに駆け寄ってきた。
 歳の頃はまだ7、8歳だろうか。
 着ているドレスと、長い髪に揺れるドレスと同じ色のリボンは上等なシルク。袖口のレースはとても繊細で、こんな織りはおそらくトロイアのものだ。ここからトロイアは遠い。手に入れるのも難しい品だった。
 そんな少女の出で立ちに、かなり裕福な家の令嬢なのだろう、とカインは思う。
 石段から少し離れたところに、若い男が雨の中傘を差して立っているのが見える。彼女の従者だろう。

 目の前に立った少女を、カインは見下ろす。
 彼女の腕の中で、子猫がニァと鳴き、尻尾を振った。 
「あの、この猫、あなたの……?」
 戸惑いがちに、少女がカインを見上げ口を開いた。
 鈴を振るような、済んだ声。見知らぬ男、それも明らかに魔導士でないカインは、彼女の目には奇異に映るはずだ。
 だが少女は戸惑いの色は滲ませながらも、決して臆することなく、カインに問う。

「…………、いや」

 迷う必要はなかったはずだ。
 なぜなら、この銀の猫は、カインが飼っていた猫ではない。
 散々、そう自分に言い聞かせてきたはずだ。
 現に今だって、カインはこの子猫を街中に置き去りにするためにここに来たのだ。
 自分の猫ではない、そう少女に即答すればいいだけだ。
 何を一瞬迷ったのだろう。
 
「でも……ないてるわ」
「……そうだな」
 ミィミィと、子猫が少女の腕の中で鳴いている。その鳴き声は、腹が減った時の情けない鳴き方や、カインを呼ぶ時の少し生意気な鳴き方とも、そして甘える時の鳴き方とも違っていた。
 そんな風に鳴き続ける子猫とカインを、少女は見比べる。 
「連れて帰るつもりなのか?」
 少女の腕の中からこちらへ前足を伸ばす子猫を見下ろし、カインはそう尋ねた。
「あなたの猫でないのなら、わたしが連れて帰るわ。
 ずっとここでだれかを待っているみたいだったから、お父様には先に帰っていただいて、わたしもここで待っていたの。
 この子にはご主人様がいるのかもしれないと思って」
「そうか」
「誰の猫でもないのなら、お屋敷に連れてきてかまわないってお父様はおっしゃったの」

 幸運な猫だと思う。
 きっと彼女の元で、これからは幸せに暮らしていけるに違いない。
 修行に明け暮れ、ろくに面倒も見ない自分の傍よりも、ずっと幸せに生きていけるはずだ。
 
「……だったら早く連れて帰るんだな」
「ほんとうに、いいの?」
「ああ」

 カインの答えに、ミィと一度子猫が鳴いた。
 ずっと鳴き続けていたのに、ぱたりとその声が止む。
 
「ありがとう」

 少女はカインに笑うと、くるりと踵を返した。
 従者とおぼしき男が、彼女に傘を差し出す。
 
 石段を下りたところで、少女が振り返った。
 何故か動くことが出来ず、去っていく彼女を見つめていたカインを、再び少女が見上げた。
 その腕の中で、銀色の子猫もまた、カインをじっと見つめている。
 幸せになれ、とも、じゃあな、とも、声をかけることは出来なかった。
 あれだけ執拗に鳴いていた子猫も、ニァともミィとも鳴かなかった。
 
 少女はカインに礼を言うように頭を下げると、雨の中、街の中心部へ向かって去っていった。
 
 
 
「でも……ないてるわ」

 頭の中で、少女が先ほど口にした言葉が響く。
 だが、その声は、銀色の子猫を抱いた少女のものではなく、幼馴染みの彼女のものだ。
 脳裏に浮かぶ彼女は、銀髪の親友の背を抱いている。

 あれからちっとも自分は変わっていない。
 幸せになれ、とも、またな、とも、二人に何も言えずに故郷を出てきたあの日から、何も変わっていないのだ。



一応これで本編(?)はおしまい。
残るはエピローグです。
やっと回想とか夢じゃないセシルさん出てくるよ!!!

カインさんが果たしてこの女の子と出会わなかった場合に、猫を捨てることが出来たのか、というとたぶん、いや間違いなく出来なかっただろうなーと思ってます。
そういうところで情を切り捨てるのがとても下手な人だと思います。
どんな理由があっても弱者に手を上げられない人だろうなーと。
ディシディアもそうでしたよね。仲間を眠らせるって目的があったけど、たぶんカインは女性陣を攻撃出来ないだろうなーと思ってたら、案の定、ティファに流されたしwww
逆にセシルさんは、確固たる理由があればたとえ相手がローザでも鳩尾に拳入れる人だと思ってます。
ゲーム本編で、ゼムスのところに乗り込むってときに、ローザとリディアを置いていこうとしてたシーンなんかも、あれはカインさんが先に口を出してしまったので結局一緒に行くことになったけど、そうでなければセシルは無理矢理にでもローザ達を置いていっただろうな、と(それが解ってたから、カインさんは口挟んだんだと思う。セシルもローザも引かないことは一番よく解ってるから。そこでローザ側につくのがまたカインさんらしい)。
あー、実際TAがそうだったなぁ。ローザ相手に国王としての命令とか言い出してまで、逃がしましたよね。あそこでローザが引かなかったら(10代の彼女だったら引かなかったはず)、たぶん手刀一発で眠らせてシドにローザを預けただろうと思います。
方向性は違うけど、セシルもカインも妙なところで不器用だよなぁ。そこが萌えるんだけど。

ではまた明日。

振り返れば

昨日、サイトのオフラインページを編集していて、ふとここまで何冊本作ったんだっけ?と思いまして。
ジャンル自体はFFにずっといるんですけど、扱ってる作品が変わったし、ここ2年ほどはずっと4で書いてますが、本編だったりTAだったりDDFFだったりするので、本に通し番号振ってないんですよね。
たしかそろそろ合同誌を含めればオフ本だけでも10冊は超えていたと思ったんですけど、コピ本含めると18冊になるみたいです。
驚いた。
オフ本が11冊、コピーが7冊になる模様。
作品別だと、
FF7で4冊(うち合同誌1冊)、ディシディアで5冊(うち合同誌2冊)、FF4で9冊。
ディシディアはカイセシが2冊あるので、これもFF4と言えなくもないんですけど。
いずれにせよディシディア本はカイセシでない本にもカインとセシルを出しているので(それどころかカイセシ前提にしている本もある)、かなりの量、この二人を書いたことになるみたいです……なのに書く事が尽きない。
不思議だ……。
最初に書いたカイセシ本とか、今もここを見たりイベントに来てくださる方で読んだ事ある人っているんだろうか……デシムの直後に発作的に出したので、もう2年半ほど前になりますね。
一番最初に出したのに、甘さの一切ない、バッドエンド一直線というどうしようもない話でしたwww懐かしい。
ある程度数が溜ったらコピ本は再録本作ってもいいかなーと一瞬思ったんですが……コピ本はわりと挑戦というか試験的なものを書くことが多いので、まとめるとすっごいカオス……無理かもなぁ。

たまに昔作った本を読み返す事があるんですけど、さすがに7の頃の本なんかは、装丁が恥ずかしいですね!
文字組みひどいな!と思います。
が、どの本も(オフにせよコピーにせよ)、全力で作ったものなので、それぞれに思い出があって、中身もけっこう自分でも楽しんで読めたりします。
長編とか、ほんと、よく設定作ったよなーなんて自画自賛したりする。
『雪白の月』とかすごい好きです。あれはほんっとうにプロットをすごく細かく立ててあって、ゲームとかなり細かい部分まで一致させてあります。ディシディアはキャラが多いから各キャラの行動表みたいの作るんですけど、それがだいぶ凄いことになっていたはず。
そんなディシディアですが、来年、長編書きたいなーと思ってます。
今度はカインさん主体で。
前々から、セシルがなんで暗黒騎士にもなれるのか突き詰めたいって言ってたと思いますが、それに答えが見つかりそうな感触でして。また半年程度寝かせてネタを練るので、来年の夏くらいでしょうかねぇ……気の長い話ですw


さて、予告した通り、だいぶ前の続き載せます!
えーっと、前回が5、6個前の日記になると思います。

で、あと2回で終わると言いましたが、長くなったので今回含めてあと3回で……。
書き終わってますので、残りも明日・明後日で載せますね。
今週中にはピクシブにもまとめてアップしますので、もう前の話覚えてねぇよ!って人はそれまで待っててください……若干書き直したりもすると思うので。



「長老が、村までご足労頂きたい、とのことです」

 ミシディアからの使いだと言う魔導士の二人連れが尋ねてきたのは、拾った子猫と暮らし始めて一月半ほどがたった頃のことだ。
 こういった来客があることは、特に珍しいことでもない。
 この山に籠もるに当たって、ミシディアの長老に、一言断わりを入れてはいた。そのせいだろうか、時折、こうして使いの者が小屋を訪ねてくる。
 招来には出来る限り応じることにしていた。手強い魔物が出るので退治して欲しい、というような依頼をされることが多い。
 詳細はミシディアに行くまでわからないが、おそらく今回も似たような話になるのだろう。

「……支度をするから少し待て」
 そう返事をして、踵を返す。
 支度と言っても、大したことはない。
 装備さえ調えれば良く、食料やアイテム類の旅に必要なものはミシディアで用意されている。
「ニャァ」
 手早く武装を調えていると、足元に子猫が擦り寄って来た。
 共に暮らすようになって、一月半。拾った時は、掌に載るくらいの大きさだった子猫は、二回りほど大きくなっていた。
「……お前はどうする?」
 ほぼ確実に魔物退治になるとわかっている以上、連れて行くのは憚られた。
 元は野良猫だ。いや、今もカインが飼っているというわけではない。勝手に小屋に住み着かれただけだ。
 多少の食料を置いていけば、あとは勝手にするだろうか。
 
 小屋を出て、先導する魔導士達の後を追って山道を下っていく。
 そのカインの後を、子猫は必死になって追ってきた。
 じゃあな、と一声言い置いて小屋を出たカインを、最初はいつもの修練に出かけるだけだと思ったのだろう。
 だが、常とは異なり山を下る道を歩いて行く姿に、子猫なりに何か思うところがあったのだろう。
 慌てて、走って追いかけてきた。
 だが、やはり連れて行くわけにはいかないのだ。
 下手に構い立てるよりは、放っておく方が良い、そのうち小屋に帰るなりするはずだ、とそう思った。
 しかし子猫は諦めない。
 追いついたカインにまた置いて行かれると、走って追いかける。よたよたと歩きそしてまた距離が広がると駆け出す。
 何度も何度もそれを繰り返し、ついに山の麓に辿り着いた時、結局折れたのはカインの方だった。
 
 ひとつ大きく嘆息するとカインは子猫をつまみ上げ、背負っていた荷袋の上に載せる。
 前を歩いていた魔導士達が振り返った。若い女性の白魔導士と、壮年の男性の黒魔導士の二人組は、長老から厳命されているのだろう、余計な事は何一つ口にしない。
 だが特に白魔導士のほうは、追いかけてくる小さな猫がかなり気になっていたらしい。
 カインが猫をすくい上げるのを見て、安堵したように小さく微笑んだ。
 山の入り口には3羽チョコボが繋いであった。
 彼らはチョコボを駆ってミシディアの街を目指す。
 
 街についたら、そこで子猫を置いていこうとカインは思っていた。
 山奥の誰もいない場所に置き去りにするよりは、街中のほうがまだマシかもしれない、そう考えることにした。
 ミシディアは故郷バロンほどではないにせよ、それなりに大きな街だ。裏路地に入れば野良猫などの姿も多く見る。
 まだ幼い子猫だが、生きていくには十分だ。
 自分も長老からの依頼が済めば、報告のため一旦ミシディアには立ち寄る。
 その時にまた子猫と縁があり、子猫がそれを望めば山へ一緒に帰っても良いだろう。

 この猫は、決して自分の飼い猫などではない。
 共に生きる相手など、それがたとえ人間でなくとも、今更望むつもりはなかった。
 
 
 
 ミシディアの街へ到着する少し前から、雨が降り出していた。
 徐々に雨足は強くなり、街へ到着する頃にはすっかり土砂降りの雨になっていた。
 時刻は夕刻にはまだ少し早い時間だ。だが、悪天候のせいか、空は薄暗く、街は暗く沈んでいた。
 長老の住む館の前で、カインは子猫を地面に下ろした。
「お前は中には入れない。ここで待っていろ」
 石段の上に座った子猫にそう告げる。
 屋根があるから、雨を凌ぐには十分だろう。
 ナァ、と銀色の猫が一声鳴いた。
 わかった、と返事をしたようだった。
 
 子猫と別れ、館に入る。
 さすがに雨の中を来たずぶ濡れの姿のまま、ミシディアの最高位たる長老に会うわけにはいかない。
 招いたミシディア側も当然、館に部屋を用意していた。そこで身なりを整えると、程なくやはり乾いたローブに着替えた魔導士達が迎えに来た。
 長老の待つ部屋に向かって廊下を進む。
 館には、主に魔導士たちの姿が多くある。
 この館にはカインも見知っている双子達も暮らしているはずだが、ここで一度も顔を合わせたことはなかった。おそらくは長老の采配なのだろう。 
 多くの魔導士達をすれ違う中、ふと一人の少女の姿が目を引いた。
 薄水色のドレス姿は、当然魔導士のものではない。
 どこかの貴族の家の令嬢だろうか、ここで魔導士以外の者を見かけるのは珍しい。
 そう思って何気なく振り返ったカインの目に映った蜂蜜色の長い髪がなびく後ろ姿は、記憶の底にしまった彼女の姿に少し似ていた。
 
「よく参られた」
 長老の待つ、館の中央にある部屋に入ると、ゆったりとしたローブ姿の老人が立ち上がる。
 呼びつけて申し訳ない、と言う長老に、自由な身なので気にしないでほしいと型どおりの言葉を返す。
 そしてすぐに、今回呼ばれた用件が切り出された。

 こうして長老と対面し、話をするのはすでに片手では足りない回数に及んでいる。
 だが、バロンに帰るつもりはないのか、という問いはおろか、修行の具合さえ長老に尋ねられたことはない。
 村に招かれた際に、晩餐を共にすることはある。だがそこで出る話は、当たり障りのない世界情勢についての話で、バロンはもちろん、エブラーナやファブール、ダムシアンの王達やその周囲の人々の話が出ることさえなかった。
 それもまた、長老の気遣いだったのだろう。
 カインが長老からの依頼を断らない理由も、そこにあった。
 おそらく、カインが俗世のすべてとの関係を断ってしまわないように、最低限の繋がりを残してくれている。それは理解できたし、その気遣いは決して居心地の悪いものではなかったからだ。
 
 長老の依頼は、カインの予想通り、とある村の近くに大型の魔物が出るので退治してもらいたい、というものだった。
 確定はしていないが、どうやら魔物の正体は、ドラゴンらしいという話があるのだという。ドワーフ達の住む地底ではドラゴンが出ることも珍しくはないが、地上では非常に稀なことだ。
 試練の山まで使いに来た、白魔導士と黒魔導士をサポートにつけるので連れて行ってくれて構わない、とのことであった。
 相手が竜であれば、戦わずに住処へ返してやることも出来るかもしれない。
 だが、魔物が竜でなかった場合や、竜であったとしても戦いが避けられない場合も考慮し、魔導士達のサポートは有難く受け入れることにした。
 明朝出立しようと決め、カインは長老の元を辞した。
 
 今後の予定も立ったところで、カインは与えられた部屋ではなく、館の外へと向かう。
 子猫とはここで別れなければならない。せめて街の中心地まで連れて行って置いてくるべきだろうか。
 いずれにせよ、先ほどカインは子猫にここで待つように告げている。
 子猫がその場所で待っていることを、カインは疑いもしていなかった。


えーっと、カインさんin試練の山については、私の中ではいろいろと考えてある設定がありまして。
いつか書く予定の超長編に入れたいので細かくは伏せますが、まったく山を下りていないということはないと思ってます。
生活の都合もあるので、たまに近く(と言っても山からは最低半日は歩く)の村に買い物に行ったりとか。
ミシディアからは今回書いたみたいに、たまに使いの人がやってきます。で、カインさんは魔物退治なんかしてます。その謝礼を少しだけもらって、それを生活の糧にしてるっていう設定。実家の資産はまったく持ち出してないので。
TAでミシディアの長老がカインさんが山にいることは確信してるみたいだったので、こういう裏事情があってもいいかなーと思います。
ポロムを使いに出したのは、いつもの魔物退治じゃなくて緊急事態だってことをカインさんに解ってもらいたかったから、なんですね。でもポロムが会ったのは悪カインさんのほうなので以下ゲーム参照。
ついでに言うと、カインさん、山籠り中に、エッジとは何度か会ってます。リディアとも会ってるかもね(これはまだ自分の中では決定はしてない)。
逆にセシルとローザとは一度も会ってません。
あと、さらについでだけど、私はセオドアがセシル達の子供だと言うことにカインは気付いていたと思ってます。少なくとも、バロンの王子の名前がセオドアだということは知ってたと思う。ある程度バロンや世界の情勢を情報としては仕入れてたという前提でTAは書いてます。
ゲーム中、バロン城でセオドアが両親の名を口にしてカインが驚くシーンがありますが、あれはセシル達の子供だったことに気付いて驚いたんじゃなくて(攻略本のスタッフインタビュー読む限りはこっちが正解みたいですけどね)、それまでずっと自分の正体を隠していたセオドアが王子だということを明かしたということに驚いたんだと解釈しています。
セオドアが自分の身分を隠したがる心境を、ファザコン同盟のカインさんはよく理解してたと思うのでw

……とまあ、そんなこまかーい話をそのうちちゃんと本にしたいです……どうしても書きたいセシルさんとカインさんの話で、軽く30年分の話なので、ほんっと長いんだよね……。
ざっくりした大筋を人に語ったことがあるんですが、感想は一言「それどこがカイセシ?っていうかホモはどこ?」と言われましたwww
ぼちぼち準備して、FF4が25周年迎える頃までには完成させたいと思ってます……年単位の計画だな。

ほっとくと話がどんどん逸れますね。
それではまた明日!

さむい。

台風だなんだと言ってるうちにめっきり寒くなりましたねー。
今日は昼間っから自室が寒くて仕方ないと思っていたら、隣の部屋の窓が全開だったいう。
台風もたいしたことなくて良かったですね。
明日はスパークですしねー。イベントの日はやっぱりお天気良いほうがいいですよね、ほんと。
ちなみにスパークは一般でも行かないので、明日はおとなしくおうちで作業に没頭します……出かけても図書館くらいかな。

で、サイトのオフラインページに、先週のイベントの本とか、今後の予定なんかをいろいろあげておきました。
新刊がコピ本だけだったので微妙な気もしますが、在庫が多少あるのでよろしければ是非。もうイベントには持って行かないと思いますし。
で、イベントの予定についてですが。
年内は当選していれば冬コミ。
来年は2月のオンリーに出て、5月スパコミが恒例になってますが、3月に春コミも今年は出るかもしれないです。
今の生活だと、春が一番時間が作りやすいので、出れる時に出ようかなーと。


あと、先週イベントでポスターにしてた絵をピクシブに載っけたりしてます。

Halloween【FF4】 by ムツキ on pixiv


時期が時期だったので、ハロウィン絵です。
本買ってくださった方にはカードにしてお配りしてました。
妙に字が多く入っているのはその名残ですw先週はサークル名とかスペースNoが書いてありました。
コウモリ作りながら、封印の洞窟で出るコウモリ×6体は吸血が地味に鬱陶しいよね、とか思ったり。
私の攻略手順だと、封印の洞窟2往復することが多いんですよ。
だいたいレベル30過ぎで到達するので、1回めはドアを倒しつつローザがレビテト覚えるまでレベル上げ、レビテト覚えたら幻獣の洞窟行って包丁イベントのフラグ立てて、その後もう一度封印の洞窟に戻ります。
封印の洞窟は最後が楽しすぎるので、その脳内シミュレーションだけでおなかいっぱいになるw2往復しても全然苦にならないwww


過去に作ったポスターも字だけ抜いてサイトに載せたいなーとは思ってるんですけどねー。
本の表紙とは同じイラストですけど、加工を変えることが多いので。
その前にサイト自体をリニューアルしたい……したい。だいぶ前から言ってる気が。


ということでお知らせ諸々でした。
明日あたり、例の小説の続きあげようと思ってます。

おつかれさまでした!

オンリーイベントお疲れ様でした!
雨だし寒いしでなかなかハードなお天気でしたが、遊びに来てくださった皆様、ありがとうございました。


スマホ版TA楽しみだよね、でもスマホじゃやりにくいからタブレット買わなきゃだめかな、なんて話が多かったなぁ、今日は。
零式のほうもスマホで新作が出るので、零式好きの方々もタブレット検討とかみんな言ってたなぁ。
年末というか来月あたりにはVITAも買うつもりだし、悩ましいところですよねぇ……ちょうど今使ってるスマホがそもそも買い換え時期なんですよねー……ますます悩ましい。
悩ましいと言えば、竜騎士(カインさんかどうかがとても微妙なライン)のフィギュアが出るよね、という話もちらほらしたなぁ。そしてみんなカイン確定じゃないけどとりあえず一体は買っとく!と断言するwwwさすがすぎるwww

たくさんお話も出来たし楽しかったです。
次は(冬は落ちると確信している)二月かなー。
今度こそちゃんと印刷所出す……!


では、戦利品を堪能しに行ってきます!

明日は

スペースでお待ちしております!

とりあえず原稿書き終わったので、あとは製本です。
なんていうか、前半わりとこれ緩くないかも……?と思ったんですが。
後半が緩いというか、カイセシがなんか痴話喧嘩始めてみたりとか、なんだかとてもフリーダムです。
人前でそのやりとりはどうなんだ、いい大人のくせに。
と書いていて思いました。
楽しかった!


セオドア視点ということで、かなり前に出した『MyDear』と同じ設定になります。
在庫はまだ多少あったと思いますので、読んだことない方いらっしゃいましたら併せてよろしくお願いしまーす。

セオドア視点だとわりとカインさんがヘタレないことに気づきました。カインさん、セオドアのヒーローだからね!
が、セシルさんが行動を開始した途端に、なんかヘタレました。
ああ、いつも通りすぎる……


そんな本です。
明日どうやら雨みたいですが、よろしくお願いします!
では、準備に戻る……

掃除がしたい

……原稿しましょう。

ジレンマとの戦いです。
私は、いわゆるアレです、テスト前日に掃除を始める人なので。
原稿切羽詰まると、ものすっごおおおく掃除がしたくなります。

ほんっとーに薄い本になっちゃいますが、なんとか。
セオ→カイ×セシっぽいです。それをローザ様が高みの見物。

あ。
タイトルは『everyday life』だと思います
…表紙どうするかな……

最大の懸案事項は、あまりプリンタの調子が良くない可能性が。が。最悪、本文はコンビニコピーかな……
ほんっとプリンターが気まぐれなんですよね……夏コミ前日はホントにどうしてくれようかと思いました……
カラーは大丈夫なんだけど、どうもモノクロ刷ろうとすると機嫌を損ねる模様。

さて、コーヒー淹れたらまた頑張ろう。

さて

台風で会社行けないので、原稿しますw
決して原稿するために休んだわけではない…自宅近辺の土地が低いので冠水しちゃって駅に行けないのです。年に何度かあるので、すっかり慣れっこです。


表紙どうしようかなーと思いつつ、ひとまず先に文章書きます。
前々からやってみたかったセオドア視点の話です。

セシルとセオドア両方から迫られて困惑しまくるカインさんに、ローザ様が「どっちを泣かせても承知しないわよ(はーと)」って追い打ち掛ける展開とか楽しいだろうなー。
バロン王家平和すぎる。美味しい。

うわぁ……

ちょっと久しぶり過ぎました。生きてます。

とりあえずですね、来週のイベントのお知らせだけ出しときます。
えーっと、新刊はコピーになります。
たぶん、TAかな。
このタイミングでたぶんとか言ってるあたりで察して頂けるかと思いますが、まだほとんど手付かずでして……あああ。
新刊のまったくないイベントだけはどうしてもイヤなので、死んでもコピー本だけは出します。
遊びに来て頂けると嬉しいです。


いや、忙しさで言えば夏コミの時のほうが明らかに時間がなかったんですけど、実は(未だにあのスケジュールで新刊2冊出たのは奇跡だと思っているw)。
どっちかというと今は脳内に余裕が無くてですね。原稿以外の創作作業とか文章作成を多数抱えてまして。
萌えとは別の次元のものなので、原稿増えても大丈夫だろうと思ってたら、頭の中がちっとも整理できなくて、まっっっったくプロットすら立てられなくて自分でもちょっと吃驚しました……。
ゴメンナサイ。
来年2月のオンリーの時にはもう少し落ち着いているはずなので、そのときこそ必ず。一番余裕あるのは5月のスパコミだと思うので、来年の前半はまた頑張ります。

あ、ずるずるとここで書いてた小説のほうは、イベント終わったらまとめて出します。ごめんなさい。
とにかくイベント優先します。
……ぶっちゃけあれをコピ本で出せば良かったんじゃないかと思ったりしなくもないんですがw
セシルさんがあんまり出てこないんで、オフよりウェブかなーと思ってウェブで書いたんですけれども。意外と書いてみたらオフでも良かったな、と思ってしまった。
ウェブ再録はやらない主義なので、あれはあれでウェブ用に最後まで書こうと思います(だいたい書き終わってはいるし)。
余談ですが。
なんとなく周囲の話を聞いてると、小説読むの好きな人は、落ち着いて読める分、ウェブ再録は割と歓迎って意見が多いみたいなんですけど。
本にするとなると全面的に書き直さないとだめなんですよ、メディアの違いによるあれこれが原因で。
が、私は文体とか表現方法よりも、ストーリーそのものや設定にこだわりがある…というかそっちを練るのが好きな人なので、一度書ききった話を再度書き直すのがイヤなんですね。正直楽しくないからw
だったら新しいものを書きたいので、再録はやらない、という結論に至るのです。
実は夏に横書きの本を作ったのは、紙媒体で横書きってどういう効果が出るのかを試したかったからなんですけど、やっぱり横書きのままにするとしても、ウェブの文章をそのまま持ってくるのは無理があるなー、というのが試してみた結果だったりします。
横書きは横書きで独自の雰囲気が出て面白くはありますね。
横綴じもいずれやってみたいと思ってます。あとフルカラー本。
……趣味はと聞かれたら、本作りって答えた方がいいんじゃないと思う今日この頃。楽しいなぁ。

ということで、久々に日記書いたら長くなった。
とにかく、コピ本頑張ります。

明日から

TGSですね。
一度も行ったことないんですけど。
今年も行かないです、この連休は某所でお勉強。

TAがスマホに移植……どっちかというとリメイクになるのかな?するそうで、TGSで試遊出来るんだか体験版アプリが落とせるんだか(よくわかってない)、とりあえず出展があるみたいですね。
携帯版orPSP版のベタ移植じゃなくて、DS版みたいな3D化するみたいで、ちょっと吃驚した。
だからDS版がスマホで出たのかーと納得もした。
それなりに手をかけてもらえてるみたいなので、配信始まるの楽しみにしとこうと思います。
ゲームバランスとか変更あるんですかね?
私はTAはPSPでしかやったことないので(携帯アプリ版やWii版はやったことない)アレですけど、少なくともPSP版は裏ボスもたいして強くなかったんで、追加ボスとかいるといいのになーと思います。
さてどうなるか。
3D化なわけで、アニメとかもあるんですかね?ボイスは?とか気になる点は尽きない。
そうそう、シアトの続編だか完全版だかも出るみたいだし。
今年は割と玉があるな。
プレイする時間があるかはわからないけど、実はけっこう13好きな私はライトニングリターンズも買うつもりだし、発売時にタイミング逃して買わなかったブレイブリーデフォルトも完全版が出るそうなので、これも買う予定。
割とすくえにの良いお客さんです、私w

何はともあれゲームショー行く人は楽しんできてくださいー。
今年は職場でも周囲でも行くって人がいないんだよなぁ。


さて、なんかもう週一ペースになっちゃっててアレですが、前々回の続き。

「ここなら絶対見つからないよ」
 子猫をそっと胸に抱いたまま不安そうな顔をするローザに、セシルが頷いて言う。
「本当?」
 だいじょうぶなの?とこちらを見上げた彼女に、カインも大丈夫だと請け負ってやった。
 拾った子猫を連れ帰ったところで、カインもローザも家では飼えないことは理解していた。城に住むセシルもまた同様だ。
 結局、大人達には内緒で育てようと、森の奥に子猫の寝床を作ってやった。
 毎日、毎日、三人で子猫の様子を見に行く。
 けれども、そんな生活は、そう長くは続かなかった。

 
 あの時の子猫は結局どこへ行ってしまったのだろうか。
 銀色の子猫が、皿に入れてやった水をぴちゃぴちゃと舐める様子を眺めているうちに、懐かしい記憶を思い出した。兵学校に入る前、まだ幼い子供だった頃のことだ。
 ある朝、忽然と子猫は姿を消してしまったのだ。
 猫は気まぐれな生き物だから。
 自分にそう言い聞かせて納得しようとした。今思えば無理矢理な言い訳だ。
 幼かった自分を思い出して苦笑しながら思った。
 きっと、今目の前にいるこの銀の猫も、ある日突然にふっといなくなるのだろうな、と。
 そう考えておかなければいけない。
 まだ、猫と暮らし始めて十日にも満たないというのに。
 何年もずっと独りでいたはずなのに、それが随分遠いことのように思えた。
 
 子猫が砕いたビスケットを平らげるのを眺めながら、カインも手早く朝食を済ませると、外へ出た。
 ここではやることなど一つしかない。
 愛用の槍を手に、ひたすらに素振りをし、型をさらう。
 この山に来てから、一日たりと休んだことは無い。それが最早ただの意地でしかないことも、いつになれば終わりが来るのか見えないことも、気付いてはいたけれど、それでも技を磨くことだけはやめたくなかった。
 そこに嘘や偽りはない。それだけは確かだ。
 
 カインが外に出ると、子猫も後をついてくる。
 不思議なもので、カインが修行に励んでいる間、まったくこの幼い猫は邪魔をしない。
 武器を振るっている最中に、足元にじゃれつくこともなければ、大きな木の下で瞑想している間に膝に乗ってくることもない。
 少し離れた場所で毛繕いをしていることもあれば、まるで自分も修行をするのだとばかりに、木の幹で爪を研いだり、小さな虫を追いかけ回し小突き倒していることもある。
 かと思えば、陽当たりの良い岩の上で、丸くなって昼寝をしている日もあった。
 
 そんな風に、外では気ままに過ごす子猫は、何故か小屋に帰ってくると、カインの足元にじゃれついてばかりいる。
 椅子に座って考えごとをしていれば遠慮なく膝の上にも乗ってくる。
 ふわふわとした長めの銀色の毛を撫でると、ナァと小さく啼いてぱたりと尻尾を振る。
 やがて腹が減れば、食べるものが欲しいとミィミィと啼く。
 そして夜が更け、カインが粗末なベッドに入ると、程なく毛布の中に潜り込んでくるのだ。寝床は作ってやったのに、朝までそこで寝ていることはまずない。
 カインが眠りに落ちる直前、必ず隣に忍び込んでくる。目を開けて確かめるのも億劫だったが、隣に暖かい気配があるのは悪くはない。
 ただ、ひどく懐かしいと、寝落ちる寸前のぼんやりとした頭で、そう感じた。
 
 
 
「どこに行っちゃったんだろう……」
 不安そうな顔で幼いセシルが言う。
 子猫がいなくなった、あの朝だ。
 夢か、と思った。
「探してみよう」
 呼びかけたが、何故かセシルはこちらを見ない。
 カインの姿に気付かぬまま、セシルはあちらこちらを見回し、子猫を探す。
 やがてこちらに背を向け俯いた。
「……どうして、」
 ぽつりと零れた言葉は、もう子供の声では無くて、大人になったセシルの声だった。
 いつの間にか、セシルの後ろ姿はすっかり大人の姿になっていて、伸ばした銀色の髪がふわりと揺れる。
 すまない、と謝る言葉は声に出来ず、ただその背に腕を伸ばした。
 銀色の髪に顔を埋める。
 
「セシル」

 意を決して顔を上げ、名前を呼んだ。
 


「……ナァ」

 目の前に広がる銀の色は、懐かしい人のものではなくて、ただ似ている温もりだけが腕の中にあった。
 不思議そうにカインの顔を見上げる双眸は、記憶の中の人とは違って、蒼い色をしている。
 
「……すまない」

 夢の中で結局言えなかった言葉が、腕の中の銀色の子猫に向かって滑り落ちた。



ようやくセシルさんの名前が出てきたwww
あとタイトル出した。もったいぶったつもりはなかったんですが、割と普通のタイトルでスミマセン。
この話、あと2回で終わります。
正確には1回とエピローグかな。

幼馴染みトリオが猫拾った話は、もしかしたら来月の本に入るかもしれないです。
まぁ、今書いてるこの話と同時間軸の話かと言われると微妙ですけど。これはカイセシのつもりで書いてるますが、来月の本は、カイセシ本じゃないので。
どっちかというと、以前出した「けれど僕はその手で君に触れる」と同じ時間軸かなーとぼんやりと思って書いてます。


やばい気付けば1時過ぎてるw
明日は6時起きなのです。
おやすみなさい!

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